
Felia!をご覧の皆様こんにちは!下甑島の地域おこし協力隊、「せきこ」こと関美穂子です。まずは自己紹介から。
職場から歩いて10分でPALCO♡から、職場から1分で海と山♡へ
私は生まれも育ちも鹿児島の「さつまおごじょ」。
大学卒業後からしばらくの間、福岡の天神で旅行会社に勤めていましたが、昨年(2013年の6月)から、薩摩川内市の地域おこし協力隊として下甑島に住みながら「旅・食・品」といった観光商品の開発をしています。
前は通勤は地下鉄で約30分、ビルがたくさん立ち並ぶ天神にオフィスがあり「OLさん」としてパンプスを履いて一日中パソコン相手に働いていましたが、一転。今は通勤は歩いて5分(大体途中でおじちゃんおばちゃんに話しかけられて延びる)、自然あふれる下甑島の港近くに事務所があり「地域おこし協力隊」としてサンダルを履いて島の中を駆け回ったり、船に乗ったり、山をのぼったりもして働いています。

山中にある集落。「まるでマチュピチュみたい」という人も。こんな景色も広がっているんです。
私が感じているのは、「甑島の素敵なところがをもっとたくさんの人に知って欲しい!」ということ。というわけで今回はFelia!をご覧の皆様に約半年間、私から見た甑島の素敵なところをお伝えしていけたらと思います。本当にワクワクするところが沢山ある島なんですよ!
では、まず第1回目「甑島って?」ということで島の簡単な紹介から始めます。
甑島ってどんな島だろう?(地図はこちら)

美しく澄みわたる海。遠くに目をこらすと漁船の姿も。
甑島とは鹿児島の西方、東シナ海に浮かぶ島です。
「甑」というのは、お米を蒸す蒸篭(せいろ)のこと。この蒸篭に似た形の大きな岩を甑島大明神と奉っていたことが由来とする説もあるそうです。また、かつては「古敷島」「小敷島」「子敷島」「古志岐島」「五色島」などとも書きました。(薩摩川内市HP「甑島ってどんな島?」より)
私個人としては、「季節や時間帯によって様々な色の魅力があるという意味で五色」という名づけの由来が気に入っています。とってもロマンチックではないでしょうか?また、下甑島がモデルとなった「Dr.コトー診療所」では「古志木島」と書かれています。
そんな甑島は実は列島で、いくつかの島から成り立っているんです。人が住んでいる島は上甑島、中甑島、下甑島に分かれていて、上甑島と中甑島は甑大明神橋と鹿の子大橋で繋がっていて車で移動が出来ますが、中甑島と下甑島を繋ぐ藺牟田瀬戸架橋は平成29年度の完成を目指して現在建設真っ最中です。なので、上甑島・中甑島と下甑島の間は船を使っての移動となります。

建設中の藺牟田瀬戸架橋。
上に見える灯台は下甑島の鹿島町の北端にある鳥之巣山展望所。建設中の様子を上から見ることが出来ます。この展望所は7月下旬~8月の頃はカノコユリが一面に広がってとっても綺麗!

定置網の様子。漁は海との真剣勝負で迫力満点。
ここでは周りを豊かな海に囲まれていることから一年を通して漁業が盛んです。定置網やタカエビ漁、キビナゴ漁、カジキマグロ漁、イセエビ漁などが行われています。「釣りの聖地」とも呼ばれ、メジナやタイ、イカなどを釣りに多くの釣り客も来ます。また、農業は自給自足のための畑をしている人が多いですが、お米やジャガイモの農家をしている方もいらっしゃいます。山ではツワやアザミ、自然薯などの山の幸が採れるほかサツマイモ、ダイダイなどは島民の食生活に深く根付いています。
季節によって海の恵みも、山の恵みも沢山あるんです。
よく「どれくらいの人が住んでいるの?」と聞かれますが、人口は上甑島で約2300人、中甑島で約300人、そして下甑島で約2500人です。(薩摩川内市統計情報「町別人口」より)
年代別に人口を見ると、島には高校生以上の子供はほとんどいません。これは、高校と大学がないため。中学卒業後、進学希望の子供達は親元を離れ、本土の高校へ行きます。これを「島立ち」といいます。3月の別れの季節には子供達を含めて島外に出て行く人達のためのお見送り紙テープをしている姿がよく見られます。

船から紙テープをおろして、お見送りをします。
蛍の光が流れ、少し切ない空気の中、それぞれが思い思いの別れの言葉で見送ります。「きばれよー!」「元気でねー!」「また帰ってこいよー!」のほか、私の住んでいる下甑島では「さんばよー!」「さんばおー!」「さんばさんば!」という「さようなら」の意味の声が響きわたります。
甑島までの行き方

高速船甑島から眺める甑島。
さて、甑島に行く船は2つ。串木野新港発着の「フェリーニューこしき」と川内港ターミナル発着の「高速船甑島」。
フェリーだと上甑島の里港まで約1時間半、下甑島の長浜港まで約3時間、高速船だと上甑島の里港まで約40分、下甑島の長浜港まで約1時間半の船旅です。(詳しくはこちら⇒甑島商船HP)
「島」というと、どこか「時間を沢山かけて行く所」というイメージがあった私。こんなに本土と景色が違って遠くに来たような気がするのに、意外と近いんだな、というのが初めて下甑島に来たときの私の印象でした。
と、いうわけで今回は甑島の簡単な紹介と、甑島までの行き方についてお届けしました。
コンビニが無いので20時くらいで商店が閉まってしまったら夜中にプリンが食べたくても買いに行くことが出来ないし、お店で売っているものの種類も少ないので欲しい洋服や家具、日用品は本土まで出て買うか、通販ということも多い。風が強い日には船が止まって人や物の行き来が出来なくなることもあります。
でも、不便さは確かにあるけれどその代わりにここにしかない魅力が沢山ある。
次回からはもっとディープに、そんな甑島の魅力についてご紹介したいと思います。お楽しみに!
観光についてのお問い合わせ先はこちら
㈱薩摩川内市観光物産協会 上甑島支店・・・09969-6-3930
㈱薩摩川内市観光物産協会 下甑島支店・・・09969-5-1800