
妙円寺詣りの目的地・徳重神社
島津義弘の徳を示す地、徳重神社
関ヶ原の戦いの敵中突破で知られる武将、島津義弘をしのぶ「妙円寺詣り」。現代も続く伝統行事に、若き日の西郷隆盛も参加したことが、大久保利通の日記に書かれている。
妙円寺は、明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって廃寺、跡地に建てられたのが徳重神社で、毎年10月に行われる現代の「妙円寺詣り」は徳重神社と、神社の西側、歩いて3分ほどのところに再興された妙円寺[MAP]が目的地となっている。
妙円寺には、島津義弘公の位牌もある。
鳥居をくぐり右手にある手水舎(ちょうず)に進むと、さっそく島津家の家紋、十文字が目に入る。社殿、さい銭箱、灯籠などにも十文字があり(=トップ写真)、祭神が島津義弘であることを示している。
社殿に向かう階段を上ってすぐ左にある石灯籠をよく見ると、篤姫の実父・島津忠剛の名。
日置市観光協会の古川安代さんは「島津久光の青年時代の名、又次郎も記されています。義弘公の徳の高さが伝わりますね」。
建立は1836(天保7)年。歴史に名を残す武士をぐっと身近に感じることができる。
この石灯籠からさらに西に進むと、13の地蔵塔が並ぶ。
島津義弘の後を追って切腹した武士たちを供養するもので、塔の一つ一つに緑が生けられ、丁寧に手入れされているのが分かる。
訪れたのは受験シーズンの1月。境内には絵馬がずらりと並び、「合格祈願」の文字が目立つ。この場所で西郷も手を合わせ、人々の幸せを願ったに違いない。薩摩の二才(にせ)たちに、ご利益がありますように。
徳重神社
- 日置市伊集院町徳重1787[MAP]
- TEL:099-272-3975
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おいの本当の名前は、西郷隆永でごわす…
実は、西郷隆盛の名は父のものだとか。本名は「隆永(たかなが)」。
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日吉・桂山寺跡には赤山靱負が眠る…
伊集院から日吉に向かう。
日吉にある桂山寺跡[MAP]には、島津斉興の後継をめぐって勃発した“お由羅騒動”で切腹した赤山靱負(あかやま・ゆきえ)の墓が、ひっそりとたたずむ。
切腹の際の血染めの衣が西郷に渡ったという。
大きな西郷に、大きな悲しみが襲った。
詳細な場所など問い合わせは、日置市観光案内所=099-248-7380 へ。
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今回のbreakスポットは…
ひおき西郷うどん/お食事処むかえ
日置市では「ひおき西郷うどん」を名物にしようと、市内の飲食店で
- 麺はうどん
- 県内産のだし
- さつま揚げ
- 甘味
- 愛情
の“五箇条”を満たす、各店オリジナルのうどんの提供を今年(2018年)1月からスタートした。
日置市観光協会の古川さんは「手打ち麺や、みそを使っただしなど、各店ごとに工夫を凝らしています。食べ比べも楽しんで」とアピールする。
うどんを食べられる店は、西郷のイラストが描かれたオレンジ色ののぼりが目印。こだわりのだしで、体を温めたい。
お食事処むかえ
- 日置市伊集院町下谷口1986-6[MAP]
- TEL:099-272-2630
- 営/11:30~14:30、18:00~21:30
- 休/月曜
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