
甲突川に架かる南洲橋から望む桜島
明治維新150年の節目、あらためて知りたい西郷隆盛のこと。フェリアライターが「ゆかりの地」を訪ねる、その名も『西郷旅』。始まりました。
誕生の碑、緑の中に…
鹿児島市の甲突川沿い、住宅や幼稚園に囲まれた静かな一角に、西郷隆盛と弟・従道の誕生地はある。冬も濃い緑の葉が茂るクスの大木に囲まれ、石碑が立っていた。[MAP]
鹿児島市加治屋町といえば、西郷隆盛や盟友の大久保利通はじめ、幕末から明治に活躍した人物を多く輩出したまさに維新のふるさと。
その理由は、同じ地域=郷中に住む先輩が後輩を教え、競い合った薩摩藩の郷中教育にあったといわれる。
加治屋町は鹿児島城下の外れに当たり、下級武士が多く暮らしていた。甲突川左岸緑地の「維新ふるさとの道」に当時の武家屋敷が再現されている。[MAP]
誕生地そばに立つ維新ふるさと館アテンダントの岩下紘子さんが「見逃さないで」と教えてくれたのが、誕生地内にある立方体状のベンチ。
座面に「朝6時 二才(にせ。14・15歳~24・25歳の青年のこと)の家に行き、四書・五経の講義」「正午~午後4時、山遊び・川遊び」などと当時の少年たちの日課が記されていた。西郷、大久保もこのあたりを駆け回っていたはず。
維新ふるさと館の隣、西郷誕生地からほんの100m余りの場所が「大久保利通生い立ちの地」。西郷生誕地の石碑とそっくり。[MAP]
それもそのはず「西南戦争で敵対関係となった両者間のわだかまりを残さないように、と建立の際、同じデザイン、大きさにしたそうです」と岩下さん。
ちなみに、大久保は鹿児島市高麗町の生まれで、間もなく加治屋町に移ったそう。
西郷誕生地には「西郷従道邸庭園跡庭石」もたたずむ。東京にあった庭園は、明治政府で活躍した従道がもともと兄のために買った土地だったという。両者もやはり西南戦争で立場が別れた。
友、兄弟の絆と運命を、こけむす石たちが物語っていた。
維新ふるさと館
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今回のbreakスポットは…
Good day
グッド デイ
維新ふるさと館前から甲突川にかかる南洲橋の上は、桜島の撮影スポット(=写真最上段)として観光客に人気となっている。西郷の時代、桜島はさらによく見えたに違いない―。
そんなことを考えていたら、西郷誕生地のちょうど裏手にあるセレクトショップ「Good day」で、桜島形の陶器のブローチに目が留まった。
写真のかわいらしい桜島のブローチは2,160円。左奥は、県内のガラス作家によるベースに、切子師が伝統的な薩摩切子のカットを施した同店企画のピアス(1個売り、12,960円)。
Good day
- 鹿児島市加治屋町5-12 マルナミビル1~2F[MAP]
- TEL:099-248-9931
- HP/Good day
- fb/@goodday0906
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