
冬の定番!! こたつでミカン
長島とSATSUMAと温州ミカン…
温州ミカンは、鹿児島県の長島町が発祥とされ、欧米ではその名も「SATSUMA」と呼ばれているそう。
1936年に町内で樹齢300年の温州ミカンの古木が見つかり、現在原種の子孫に当たる木が栽培されている。
約500年前中国から伝わったミカンから突然変異で生まれた、と言われていたが、最近、キシュウミカンとクネンボという品種が交配してできたことが分かったそう。

長島町にある、温州ミカン原種の子孫にあたる木
長島には「ミカン博物館」なるものが存在する…

日本マンダリンセンター
長島町には全国初のミカン博物館・マンダリンセンターがある。玄関を入ると、マンダリンロボットが歌で歓迎してくれる!!
ミカンの歴史や品種、料理などの展示があるほか、屋外の見本園は世界中から集めた約180品種のかんきつ類を栽培している。
10月上旬から12月上旬までミカン狩り(有料)ができるとのこと。

マンダリンロボット
日本マンダリンセンター
- 長島町鷹巣3786-14[MAP]
- TEL:0996-86-2011
- 休/火曜
- 入館/無料
☀ ☀ ☀
SATSUMAのみかん
コタツにミカンの季節。海に囲まれた鹿児島は中国や東南アジアとの交易で農作物が伝来し、古くからたくさんのミカン類が栽培されてきたんですって。
現在、農林水産省の統計で29種類、ナツミカン、タンカンなど全国一位の収穫量を誇るものも(2014年産)。そんな『かんきつ類の宝庫』鹿児島で、新品種、珍しい品種など気になるミカンを集めてみました。

サワーポメロ
ブンタンの仲間、大橘(おおたちばな)のこと。ブンタンよりやや小ぶりで、ブンタン独特の苦みは少ない。爽やかな香りで、実はサクサクしていながら、砂じょう(つぶつぶ)が弾けるよう。包丁でヘタをカットして。
- 時期:2月~3月
- 主な産地:日置

紅甘夏
甘夏はブンタン(ボンタン)の流れを引く自然交雑種で、「紅甘夏」は名前の通り普通の甘夏よりオレンジ色が濃い。酸味が強く、果汁豊富で爽やかなまさに初夏の味覚。皮は硬いので、ヘタを包丁でカットして。
- 時期:1月~5月
- 主な産地:出水

不知火(しらぬい)
清見(きよみ)とポンカンの交雑種で、成り口=頭の突起が特徴。皮がむきやすく、果肉の袋は薄く、汁気たっぷりで甘みが強い。その形から「デコポン」(登録商標)の名前で親しまれている。
- 時期:12月~4月
- 主な産地:出水・日置・曽於・大隅・南薩
鹿児島県で発見された不知火(デコポン)の枝変わり

大将季(だいまさき)
従来の不知火に比べ、果皮や果肉のオレンジ色が濃い鹿児島県のオリジナル品種。

スイートスプリング
温州ミカンとハッサクの交雑種。酸味がほとんどないため、青いうちから出荷され、食べやすい。さわやかな味で、こってりとした食事の後などに口をさっぱりさせるのにぴったり。皮、中の袋とも固いが、果肉はジューシーで根強い人気。
- 時期:12月~2月
- 主な産地:出水

ポンカン「薩州」
鹿児島県が育成したポンカンの品種。貯蔵熟成して甘味や香りを引き出し、濃厚な味わいに。糖度12度以上・クエン酸0.9%以下等の基準をクリアしたものが「本格貯蔵 薩州薩摩」の名称で出荷される。
- 時期:1月~2月
- 主な産地:日置

津之輝(つのかがやき)
国が作った新品種で、果肉は濃いだいだい色。おしり(ヘタの反対側)にでべそのような突起がでる実も。糖度が高い上、酸味もしっかりあって味がよく、独特の芳香がある。タネはなく、ジューシー。
- 時期:12月~1月
- 主な産地:大島・曽於

せとか
大きな温州ミカン、といったイメージ。皮が薄いためむきやすく、実の袋も非常に薄く、口の中に残らない。甘くほどよい酸味もありジューシーでとろける味わい。みずみずしい香りも人気。
- 時期:2~3月
- 主な産地:鹿児島(桜島)・出水

はるみ
不知火のきょうだい。見た目は果皮の滑らかなポンカンのよう。実のつぶつぶが大きくて、口の中でぷちっと弾けるような食感がよい。果皮は薄くむきやすいが、タネは数個入る。
- 時期:1~2月
- 主な産地:鹿児島(桜島)

たんかん
全国生産量の7割を誇る。明治時代に台湾から導入され、奄美大島や屋久島・種子島など温暖な地域で栽培されてきた。ジューシーで甘さと酸味のバランスがよく、オレンジに近い香りが抜群。手でむけるが、オレンジのようにカットしても。
- 時期:2月~4月
- 主な産地:大島・熊毛・南薩・大隅
取材協力:
鹿児島県農業開発総合センター果樹部
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