
「かんとりぃぱぁく」のもぎたてブドウ
かんとりぃぱぁく
四季折々ゆのはな
「日本人が落ち着くのは、やっぱりごはんとみそ汁」と、大学在学中に和食の料理人になろうと決意し、福岡県での修行を経て鹿児島に戻った深川正嗣さん。
日置市が誇る食材を使って、一品一品丁寧に作った料理を楽しんで。
子授け岩
その岩の形から名がついた、子授け岩の「男岩」と「女岩」。”お産の神様”として地元の人に親しまれる「鹿王神社」もあり、3カ所を巡って子宝祈願や安産祈願をすると願いが叶うといわれている。
この3カ所を巡るなら、「尾木場の棚田」もぜひ訪ねて。のどかな風景が広がる棚田は、明治時代に手作業で石を積み上げて作られたもの。取材で訪れた日は、田植え後の青々とした稲が風に揺れていた。ぼんやり過ごしていると、藪の中から何やら動物が出てきて近づいてきた! その正体はアナグマ。ほっこりとした時間だった。
ここから、ゆる旅スケッチの世界をお楽しみください。
まるごと食べたい ブドウ狩り
ブドウ、ミカン、イチゴ。日置市東市来は1年を通して果物の収穫を体験できる観光農園が点在する。今、最盛期を迎えているのがブドウで、8件の農園でブドウ狩りを楽しめる。
約4,000m2の農園に、35種のブドウが実る「かんとりぃぱぁく」は、気温34度の平日の昼間にも関わらず、次々に客が訪れる。一人で4~5袋のブドウを持ち帰る人の姿も。ハウスに入ると、頭上に白い袋に包まれたブドウがたわわに実り、張り巡る葉がカーテンとなって日差しを遮る。そのせいか、思いのほか涼しい。扇風機の風が当たるベンチに腰掛けると、試食の巨峰と麦茶が出てきた。入園と試食が無料だ。

35種ほどのみずみずしいブドウが実る/イラスト:張 佐和子
3代目園守の下茂孝喜さんが、こだわったのが有機栽培。33年前、町の農業普及指導員だった坂元邦治さんの提案によって町おこしで始まったブドウの栽培は、先代の孝男さんの代に軌道に乗り、孝喜さんも手伝うように。安定供給の栽培方法に対し、農薬を使いたくない孝喜さんの試みは、16年前に実を結んだ。「ブドウの皮や種にはポリフェノールや強い抗酸化力の栄養が豊富」と、皮も種もまるごと食べるよう勧める。
8月中旬は、シャインマスカットとクイーンニーナが食べごろ。種類問わず1kg(3~4房)1,300円。後継者の孝太郎さんをはじめ、家族総出で繁忙期のブドウ園を支えていた。(鶴ヶ岡ますみ)
かんとりぃぱぁく
- 日置市東市来町湯田4778[MAP]
- TEL:099-274-9179
- 営/7月中旬~8月下旬の9:00~18:00
- 休/ブドウがなくなり次第閉園
- P/あり
ここでいっぷく
地元の旬たっぷり!箱膳で味わうランチ

田之湯温泉通りにある「四季折々ゆのはな」は、鹿児島市出身の深川正嗣さんが5年前にオープンした創作和食の店。地元の食材を使い、一品一品手間ひまかけた料理が人気だ。

3段重に旬の味覚たっぷり「旬菜膳」
2週ごとに献立が替わるランチ「旬菜膳」(1,500円)は、3段の箱膳に、メイン、刺し身、茶碗蒸し、デザートなど、12品ほどの料理が並ぶ。定番の「国産豚なんこつフライ」は、外はカリッ、中はとろっと骨まで軟らかい。
深川さんは福岡市の和食店で8年間修行。鹿児島の国民宿舎で料理長として勤め、独立した。妻の直美さんも店に立ち、有名な日本料理店で身につけた接客でもてなす。29席が満席になり次第終了なので予約がお勧め。
四季折々ゆのはな
- 日置市東市来町湯田3073-7[MAP]
- TEL:099-246-6366
- 営/12:00~14:00、18:30~21:00
- 休/日曜、第2・第4月曜
- P/あり
見つけた!
子授け岩
内之田池近くにある子授け岩は、子宝や安産を願う人が訪れるスポット。地元の人は“男岩”と、内之田池の隣にある“女岩”、養母地区にある鹿王神社の3カ所を巡って祈願し、湯之元温泉で体を温めて験を担ぐ。それぞれの岩の隣には、無事に出産した人がお礼に供えるというメッセージ入りの石が。

岩を触って祈願しよう
小学4年生の娘がいる日置市観光協会の古川安代さんは「娘の同級生に6人兄弟という人も。子どもが4~5人と子だくさんの家庭が多く、子授け岩のご利益なのかもしれませんね」。

南日本新聞日置支局記者
角倉 貴之(45)のおすすめ
新旧の魅力探して!!
東市来には「湯之元」の温泉街と「美山」の薩摩焼という歴史ある観光地があります。一方で、両方の町とも新しい店やイベント、活動があって変化を続けています。新旧がどう融合、昇華していくか楽しみ。特産の果物を使ったデザートを出す店もありますよ。
- 日置市東市来データ
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- 面積:70.90km2
2005年に、伊集院町、日吉町、吹上町と合併して日置市となった。
日置市東市来のココがスゴい!
美山は薩摩焼発祥の地。400年以上にわたり陶芸が続いている。